テクニカル分析の効きやすい通貨ペアの特徴とは

テクニカル分析の効きやすい通貨ペアとは、レジスタンスやサポートのラインやトレンドなどの方向性、一般的なインジケーターのシグナルなどに対してどれだけ素直に反応してくれるのか?という考えになる。

テクニカル分析の効きやすい通貨ペアは実にアバウトであり、その時の相場状況によっても変わるもので、一概にテクニカル分析の効きやすい通貨ペアは定義できないのが本質になる。

ただし、キリ番やラインなど、市場規模や参加者規模によってテクニカル分析をしやすい通貨ペアが傾向的に存在するのは確かだ。この記事では、一般的に使用する水平線やトレンドラインなどを考慮した上でテクニカル分析が効きやすい通貨ペアの特徴は何なのか?について見ていこう。

目次

市場規模の大きい通貨ペアはテクニカル分析が効きやすい

テクニカル分析の基本的な算出方法から考えると、市場規模が大きいほどテクニカル分析は効きやすい。テクニカル分析はほぼ全てにおいて過去の値動きから算出されるので、対象の人数や規模が大きければ大きいほどその効力は大きくなる。その理由を見ていこう。

市場規模の大きい通貨ペアとは

出典:BIS為替取引量調査2019
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上記グラフは通貨ペア別取引量シェアになる。市場規模が1番多いのは「ユーロドル」であり、2位がドル円、続いてポンドドルとドルストレート通貨ペアが上位を占めている。クロス通貨ではユーロポンドが最も多く取引されている通貨ペアだ。

基本的にはこの上位3つのドルストレートはテクニカル分析が効く通貨ペアと考えられる。なぜなら単純に市場参加者が多いからだ。ではなぜ市場参加者が多いほどテクニカル分析が効きやすくなるのだろうか?

市場参加者が多いほどテクニカル分析が効きやすくなる理由

市場参加者が多いと正確な数字が出やすくなるのは、多数決による統計結果が明確に出やすいという理由がある。人気投票を例に説明しよう。

パターン
参加人数が少ない場合

3人の人間を対象に「10人が人気投票を行った」として、結果はAさんが5人、Bさんが3人、Cさんが2人だったとする。投票人数が10人の場合は1位から3位までそんなに大きな開きはない。ほんの1人・2人が投票を他の人間に変えてしまえば、すぐに順位は入れ替わってしまう。

パターン
参加人数を多くした場合

1000人を対象に人気投票を行なった場合はどうだろうか?Aさんが500人、Bさんが300人、Cさんが200人と言った具合に大きく差が開くこととなり、100人以上の人間が投票を変えない限り順位の変動はない。

投票人数が10人であろうが1000人であろうが割合的に結果は変わらないが、アンケートの対象者が100人、200人と増える毎にそのアンケートの信憑性もより強くなってくる。

参加対象者が多くなるとブレにくくなる

10人に対するアンケートが、1位になっているAさんが8人、2位のBさんが1人、3位のCさんが1人だったとしても、1位のAさんに入れたたった4人が、やっぱりBさんにしようとBさんに投票を入れ替えてしまったら、一気に順位が入れ替わってしまいBさんが1位になってしまう。

しかし、投票人数が100人であった場合、たった4人の選択が変わったとしても順位はおろか、全体的なパフォーマンスに、ほとんど影響を与えない。

テクニカル分析に関しても同じ原理が働く。市場参加者が多ければ多いほどテクニカル分析に対しての信憑性は増していくという事になるのだ。

クロス通貨のテクニカル分析は効かないのか?

ここで疑問となってくるのがクロス通貨(合成通貨)の存在だ。クロス通貨に代表されるのは「ユーロポンド」であり、世界4位のシェアを誇っている。そして世界的にはマイナーだが、日本国内では馴染みの深いユーロ円やポンド円などのクロス円もクロス通貨になる。

クロス通貨(クロス円)のテクニカル分析は効きにくい?

クロス円(合成通貨)は2つの通貨ペアの掛け合わせだ。例えばユーロ円を例にしてみた場合、ユーロ円は「ドル円とユーロ、米ドル」3つの通貨が掛け合わさったものだ。

言ってしまえば、取引高世界No1の通貨ペアとNo2の通貨ペアの組み合わせであり「ユーロ」「円」「米ドル」という3つの通貨からなる。

この場合ユーロ円自体の取引高は圧倒的に少ないが、大元となっている通貨ペアの取引高は圧倒的に多い。しかし、テクニカル分析という観点から見ると、大半のトレーダーはドルストレートの「ユーロドル」「ドル円」「ポンドドル」などを見ており、そこから派生された合成通貨のユーロ円はドルストレートに比べテクニカル分析が効きやすいはずがないのだ。

もちろんクロス通貨(合成通貨)だからテクニカル分析は効かないというわけではない。

ドルストレート通貨ペアでもテクニカル分析が効くとは限らない

ただしこれだけは覚えておいてほしい。それは通貨ペアの取引高が多いドルストレートだからといってテクニカル分析がなんでも効果的に注目されているのか?と言われればそんな事はない。

では市場参加者以外でテクニカル分析が効きやすいのを判断する理由を他にも考えてみよう。

テクニカル分析方法による違い

テクニカル分析の目的とは勝率や資金効率を上げ最終的にトータル勝ちにもっていくのに必要な相場環境の模索だ。時間足や使うインジケーター、分析方法によっても、テクニカル分析の相性は変わってくる。

もちろん特定のテクニカル分析がやりやすい、または見つけやすい時間足などももちろん存在するし、インジケーターなども特定の短期足で使いやすいものや、設定によって効果が変わるものなど実に色んな特性がある。

テクニカル指標で有名なエリオット波動も、取引高トップ3のドルストレートが1番見つけやすいと言われているが、利用している時間帯や相場状況によっては、全く判断できない場合も多い。

過去のチャートで検証する

手法や分析方法はトレーダー個人で千差万別になる。大切なのは自分のトレードスタイルは、どの通貨ペアに相性が良いのかを検証することも大切だ。

テクニカル分析が効きやすい通貨ペアを見極めるためには、自分がどの通貨ペアを使用したいのか?という他に。どういったテクニカル分析を行いたいのか?によっても変わってくる。

優位性のある分析を行うのなら優秀な分析ツールを使用した方が良い。当たり前のことだが、意外に分析ツールに無頓着な方も多い。

効果的なテクニカル分析ツールは必須

テクニカル分析ツール「MT5」

優秀な分析ツールは大きく過去に遡って検証できるのはもちろん、多種多様のテクニカル分析、インジケーターが使用でき、視覚的に相場環境を把握しやすいチャートになっている。

世界中の多くのトレーダーが使用しているのはもちろん、そういった分析ツールを使用するのは間違いなく正解である。

分析ツールは世界トップシェアを誇る「MT5」か「TradingView」の2択になるが、目先の大きな違いは「無料」か「有料」かになる。MT5は各会社が提供しているので無料だが、TradeingViewでMT5並みの機能を使用するにはかなり高額な使用料金が発生してしまうので注意しよう。

まとめ

テクニカル分析が効く通貨ペアといっても時間足などによっても相性の良い悪いがある。テクニカル分析を使って勝つことを目指すなら、まず最初に取引する通貨ペアを絞るというのも非常に有効な手段になる。

取引する通貨ペアを絞ることによって、使うテクニカル分析も絞られてくるし、通貨ペアの値動きの特性やクセも知る事ができる。

色々な通貨ペアを監視するというのは、チャンスが多く見つけられると思われがちだが、テクニカル分析においてシンプルかつ、要素を絞るというのは重要である。

検証を繰り返して自分の使いやすいインジケーター、テクニカル分析ツールを探してみる事も大切だ。テクニカル分析で大切なのは「値動き」の観察であり、取引したい通貨ペアのクセや特徴などをじっくり検証してみてほしい。

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