本質的な価値|トレーダーおすすめの本(書籍)を紹介

相場で勝つために必要なものは、テクニカル分析手法だけではないことにそのうち気づくことになる。筆者も専業トレーダーを目指し、これまで100冊以上の本を読んできたが、現在参考になったと感じているものはほんの数冊しかない。

逆に、読んだおかげで余計な知識が増え、本質から遠ざかったパターンも圧倒的に多く、もちろん勝てない時期に欲しい情報というのは「勝てる手法」であった。

しかし、勝てる手法を探しにどれだけ本を読もうが、そこにたどり着くことは無く「勉強しているのに勝てない」「努力しているのに勝てない」という苛立ちばかり。今思えば無駄な時間を多く使ったと思っている。

この記事ではテクニカル分析においての手法だけではなく、より投資家心理を考慮した「トレーダーおすすめの本」を3冊紹介する。基本的にはこの3冊以上を読む必要はなく、より効率的に勝てるトレーダーを目指すことができるはずだ。

目次

デイトレード

時代を超えても普遍的である「トレーダー心理」に重点をおいたデイトレードはおすすめ度No.1。何回も繰り返し読んでも価値のある内容となっている。

相場で勝つためにはどのような心理に打ち勝つ必要があり、どのような行動をとるべきなのか?をしつこいほどに解説している。デイトレードというタイトルだが、スウィングなどのトレードスタイルでも共通する内容。

全米最強といわれたプリスティーン(トレーダー養成機関)の創業者であるオリバー・ペレスとグレッグ・カペラによる名本。価格は2420円(定価)。

心理的に心地よいものは、ほとんどの場合間違ったものである。逆に、ある特定の戦略やアプローチが、心理的に、感情的に受け入れ難いものであれば、それが正しいものである確率は極めて大きい。

引用:デイトレード本文から抜粋

マーケットの魔術師

トレードの基本を知るならこの1冊を読むだけで十分。世界トップトレーダー達へのインタビューをまとめたもの。トレードにおいて何が大切なのか?各トップトレーダーの共通点と共通していない点を探すとシンプルに何が必要なのかを知ることができる。

著書ジャック・D・シュワッガーによるマーケットの魔術師は計4冊出ているが、1冊だけでも十分なボリュームがあるので、4冊すべてを読まなくてはならないわけではない。

  1. マーケットの魔術師(青)
  2. 新マーケットの魔術師(白)
  3. マーケットの魔術師株式編(桃)
  4. 続マーケットの魔術師(紫)

マーケットの魔術師エッセンシャル版という4冊の要約をまとめたようなものも出ているが、内容が端的なのであまりおすすめはできない。

トレーダーがよく犯す過ちは、トレーディングの意思決定が正しかったのか間違っていたのかを結果に基づいて判断することである。表と裏が出る確率が等しいのコイン投げに対し、報酬が二対一で有利な賭けをしたとしよう。どちらかに賭けて負けた場合、その賭けには負けたことになるが、それでもそれは依然として正しい賭けである。なぜなら、同じ意思決定を繰り返せば、ゆくゆくは利益につながるからである。 負けトレードになってもそれは正しいトレーディングの意思決定である可能性がある。利益の出る戦略に従って負けた場合は良いトレードだ。

マーケットの魔術師

ゾーン〜最終章

トレーダーが負ける大きな理由のひとつとしてあげられるのは、本来持っている無意識による心理によるものが大きい。ゾーンではいかに投資家心理を克服するか?というテーマについて、独自の視点から解説している。

前作「ゾーン〜相場心理学入門」よりもわかりやすく、内容自体にはそこまで変化はないので、ゾーン最終章を読むだけで十分。トレードで壁にぶち当たっているなら一読の価値アリ。

なぜなら、彼らは急激なドローダウンを被ると、通常は市場のせいにするからだ。また彼らの典型的な特徴として、損が少ないうちに手仕舞う機会はいくらでもあったのに、どんな理由にしろ自分で損切りを先延ばしにしたことは考えようともしないからだ。

ゾーン最終章本文から抜粋

まとめ

3冊ともテクニカル分析の手法などを紹介する本ではない。しかも、なんだかんだで3冊ともすべて読んだとしても本質的に伝わるものは似たようなものである。

共通して言えるのは「初心者にこそ必要なもの」でありながら、失敗や失望を経験したトレーダーでないと理解しにくい内容である、ということだ。

確かにテクニカル分析による手法も大切なのだ。しかし、意外にも手法とはシンプル極まりないものでも勝てるものであり、その根底にある重要な本質は「人間の心理」を逆手にとること。

トレーダーにとって重要なのは「相場分析」と「自己分析」というふたつの柱なのかもしれない。

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