トレードノートの本質的な書き方とは|専業トレーダーが徹底解説

テクニカル分析や分析手法を研究しエントリーポイントも見えてきた。しかしトレードで結果が出ない・・・このままの状態を継続させていても勝てるような手応えを感じられない・・・一体何をすればいいのか?自分には一体何が足りていないのか?

恐らくこのような悩みを抱えているトレーダーは非常に多いのではないだろうか?

90%以上のトレーダーが負けるのならば、上か下かの博打ではないことは明白である。つまり「負ける理由」が必ず存在するのだ。

実際に、無意識に「買いたい」と感じられる場所では売る、売りたい場所では買う、というポイントこそが最良のポイントであることが多く、自己心理と逆の行動をとるのはトレードにおいて1番の課題になる。

もちろん無意識の心理とは逆の行動をするのは並大抵のことではない。当然何らかの意識改革が必要なのだ。

この記事では専業トレーダーが何年もかけて構築してきた効果的なトレードノートの書き方を紹介する。この記事の内容を実践する事により、意識改革、勝てるトレーダーになるための大きなキッカケになるので、是非参考にしてほしい。

目次

トレードノートとは

トレードノートを利用する最大の理由は自己心理分析である。資金管理や手法分析といった目に見えるものではなく、トレードにおける恐怖心を分析し、計画通りにトレードが行われているか?行われていない場合はどんな心理状態であったのか?を明確にするために利用する自己心理分析ノートなのだ。

トレードノートには何を書くのか?

トレードノートの書き方を知るには前提となるポイントを抑える必要がある。何が重要で何を克服する為に書くのか?という目的だ。

絶対に書いておかなければならないのは、どんな状況になったらエントリーするのか?エントリー、決済までの間にどのような心理状態があったのか?という部分を書いていく。つまり心の動きだ。

改善したい心理状態の例
  • 自分がエントリーした時にだけ悪い方向に進んでいく
  • エントリーしていない時に限って予想通りに値動きをする
  • きっと今回もエントリーしたら逆に進んでいくに違いない

トレードスタイルが固まっているのなら、エントリー、決済を計画通り執行できたのか?できなかった心理的要因は何か?を探っていく。

反省と方向性を延々と書いていくうちに、あることに気付く。それは「書いてある内容が毎回似たような内容になってくる」という事だ。毎回似たような内容では意味がないのではないか?と思われるかもしれない。

しかし、反復、同じことの繰り返しこそが潜在意識を変える為に必要不可欠なプロセスになる。潜在意識は無意識の領域であり、人間本来の行動は無意識の心理によって行われる。無意識を変えることによって、感情に流されにくい意識を構築していくのが目的になる。

トレードノートの書き方でよくある間違い

基本的にトレードノートはどれだけの金額負けたとか勝ったとかの成績表をつけるものではない。第一の目標である無意識改革のために必要であれば損益管理や資金管理もトレードノートに書くのは良いが、テクニカル分析や損益表というのはトレードノートにとって必ずしも重要になるとは限らない。

テクニカル分析や手法などでもそうだが、分析の仕方は「シンプル」が1番効率が良い。トレードノートも多くを書き過ぎないようにシンプルに書くことを意識しよう。

トレードノートは手書きが良い

トレードノートの1番効率の良い書き方は手書きになる。もちろん資金管理やテクニカル分析の検証だったらPCやモバイル端末でも構わない。

PCやモバイルでの入力は規則性がある。この規則性というのは生産性がありかつ効率的だ。しかし、それはあくまでも「文字を表示させる」事を主の目的としている為に、内容に対しての脳への伝達は非効率的になる。

ただしトレードノートはあくまでも自己心理分析を目的とするので、脳に直接作用する手書きには大きな効果が期待できる。もちろん科学的にも根拠のある話だ。

トレードノートによるプライミング効果

プライミング効果というのは同じ事を繰り返したり、連想するキーワードを繰り返し書いたり読むことによって無意識のうちにその後の判断に影響を与えることだ。

コマーシャルやTVで流れる歌を無意識のうちに口ずさんでいる事はないだろうか?CMなどは特にこのプライミング効果が使われている局面が多くある。他にも美味しい食事の番組(バーベキューなど)で、時間帯は土曜の夜19時から、最後には生ビールで乾杯。ビールの好きな方なら間違いなく飲みたくなる。

トレードノートも同じプライミング効果を生み出すのが目的であり、無意識のうちに勝てる方向へとエントリー、決済をできるようになるのが重要な目的になる。

トレードノートの具体的な書き方【3ステップ】

トレードノートを効率的に書くためにはエントリー前から決済後にかけて3つのステップに分けると感情の推移をわかりやすく見ることができる。

STEP
エントリー前

エントリー前は感情よりも「どこまできたらエントリーするのか?」など、エントリーするための条件や注意事項をメモとしてトレードノートを利用したい。

負けるトレードは計画通りにポジションを持てていないパターンが多く、値動きにつられてエントリーした場合、どのような心境だったのか?を注意深く検証していきたい。

STEP
ポジション保有中

ポジションを保有している時間は「最も重要な時間」であり、トータルで勝つか負けるかを大きく左右する時間でもある。

  • 利益確定はなぜそのタイミングだったのか?どのような心理状態だったのか?
  • 損切りはなぜそのタイミングだったのか?どのような心理状態だったのか?
  • ポジション保有中どのような値動きに対してメンタルを揺さぶられたのか?

負けるトレーダーに必要なのは「通常の利益確定のタイミングで損切りをする」「通常の損切りのタイミングで利益確定をする」という逆のプロセスが必要になる。

STEP
ポジション決済後

ポジションの決済後は、どのような反省点があり、これからどのようにトレードするべきかを検証する大切な部分だ。

恐らくは毎回同じ失敗や、同じ内容を書いていく事となるだろう。何故ならば、そう簡単に自分のクセが無くなる事はないからであり、何かを克服するには「反復」が必要になる。

だからこそトレードノートは毎回同じ内容になっても良いし、これからどうしたいのか?どうなりたいのか?を継続して書き記す必要性がある。

トレードノートが簡単に書けるテンプレート

トレードノートをつける意味はわかったが、やはり毎回同じ内容で書くのは手間も時間もかかる。そもそもどう言った内容で書けば良いのか指標がほしい。

当社ではこれまで実際に使用してきたトレードノートを分析し、テンプレートを作成した。真っ白なノートに書き込むのは継続するのも難しく、続かなければ意味のないものになる。

かといってテンプレートを作り、毎回コピーしていたのでは手間とお金もかかるので腰も重くなる。コンビニで1枚20円(白黒)程度だが、100枚印刷すれば2,000円になり、別途紙代もかかる。

当社のトレードノートは1冊100枚×2冊セットで、送料込み2,980円に価格設定してあるので、興味のある方はチェックしてみてほしい。

トレードノートを書く必要性「マインドセット」

自己心理分析、相場ではよく「マインドセット」と言われているが、なぜに自分の心理状態を分析しないといけないのか?それは人間本来の心理状態はトレードにおいてプラスにはほとんど働くことはないからだ。

実際のトレードでは最終的な予想が当たっているだけでは勝てない。予定まで値動きをしていないにも関わらず、損切りをする事はないだろうか?その時の心理は「もっと価格が下がったら怖い」「損をできるだけ最小限に」などの意識がそうさせたのではないだろうか?

残念ながらこの心理状態が悪いわけではない、なぜならこの心理は人間が本来持ち合わせている当たり前の感情だから。しかし、この感情をコントロールしなければ相場では勝てない。

トレードノートと潜在意識の重要な関係性とは

もし自分の弱い心理的な部分を克服することができたなら、トレードの成績はある時点で突然急な上昇を見せる傾向が強い。なぜなら潜在意識は積み重ねる事によって急に変化する特徴があるからだ。

実際の研究結果の話だが、人間がこれから何かを行動しようとする意思決定の97%を潜在意識(無意識)が決定していると言われている。ここでエントリーしてこうなったら決済しようと頭では考えていても実際のトレード結果は全く違う結果になるのはそういう理由だ。

実際に自分が意識的に行動しようとしているものよりも無意識の方が圧倒的に強い力を持ち決断を左右しているのなら、無意識の改革を行わなければならない

無意識の自分は圧倒的権力を持っている

あなたは100円まで価格が下がったらある銘柄を買いたいと考えていたとしよう。そして予想通り価格は大きく下落してきて、あっというまに100円まで下がってきた。さて、あなたは何も考えずにエントリーする事ができるだろうか?

「もしかしたらもっと下がるかもしれない」「いやここでエントリーしとかないと」「ちょっと待て、このフォーメーションはもしかするとまだ下がる感じではないか?」など自問自答してはいないだろうか?

意識的には100円まで下がったら買おうと思っていたのに、なぜか自分の中でエントリーしない理由を探したりしてはいないだろうか?「もう少し様子をみよう」「やっぱりここがこうなったらエントリーしよう」など決断を後回しにしてはいないだろうか?

もちろんエントリーさえしなければリスクを抱えることもない。心の中では常にもうひとりの自分と会話をしている。自分よりも圧倒的に決定権の強い無意識というもうひとりの自分だ。潜在意識を書き換えるということは、圧倒的決定権を持つ自分の無意識を改革することだ。

トレードノートを書くことによって潜在意識を書き換える【4つのステップ】

STEP
変えたい自分の欠点を知る

自分が毎回つまずく心理的弱さは何なのか?

STEP
同じ反省を繰り返す

同じ反省同じ目標をひたすらトレードノートに書き記す。

STEP
成功体験が少しずつ増える

潜在意識改革で1番しんどい時かもしれない。意外とこの段階で挫折することが多い。

STEP
意識しなくても無意識にできるようになる

ここまでくればトレードノートはもう必要ないだろう。あなたの無意識はあなたが望んだ方向性になっているはずだ。

トレードノートを書くのはあくまでも自分のために

日本国内で年収1億円以上を稼いでいる人口の最も多い職業は「投資家」である。スポーツ選手や政治家、芸能人などは元々持っている環境や資質が少なからず関係ある場合が多く、若い時にどう動いたのかも大きく関係してくる。

例えばスポーツ選手だが、40代になってからサッカーの選手になりたいと思って、プロを目指してもさすがに遅いだろう。やはり10代の頃にはもう努力を始め、サッカー選手になる事を志すしかない。そう考えると投資家というのは何歳からでも、働きながらでも成功の道があり非常に魅力的だ。

しかし、実際に専業トレーダーになろうとしたらそれ相当の努力が必要になってくるのはもちろんだ。大抵は成功した人間を見るのが普通であり、それまでにどんな努力をしてきたのか?まで注意して見る人は少ない。

実際に成功したと認められる人間は尋常ではないほどの努力と継続をしてきたのはいうまでもない。しかしトレーダーを志すものはどうだろうか?SNSで人の稼いでいるツイートを見ては騒いでみたり、勝っているカリスマトレーダーに賛否を繰り返している。

もちろん皆んながそうとは言わないが、そんなトレーダーが90%もいるのならば、確かに投資家の90%は負け組だという話も十分理解できる。継続して何かをやるということは達成したい目標があるからであり、勝つために、強くなるために地味な作業を継続させていく。

しかし口でいうほど継続とは簡単なものではない。

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