テクニカル分析で人気の描写ツールであるフィボナッチですが、今回は「フィボナッチアーク」について解説していきたいと思います。
フィボナッチアークは円形の描写が特徴で、見方としてはフィボナッチリトレースメントのような押し目を判断するのに使います。
今回はフィボナッチアークの基本的な見方について、実際のトレード検証とともにわかりやすく説明していきたいと思います。
フィボナッチアークの基本的な見方とは
上記チャートで説明していきます。まずトレンド変換が疑われるようなチャートになっています。
緑丸の部分は下落からの上昇があり、エリオット波動の1波が疑われるような局面になっていますが、もし押し目が入るとしてどのあたりから入りそうなのかフィボナッチアークを使ってみたいと思います。
フィボナッチアークのポイントの設定
上記チャートは緑丸で囲んだところを拡大させたものになります。フィボナッチアークを引くポイントとなるのは上昇の起点となる前回の安値「1」から直近の高値「2」の部分を設定します。
すると上記チャートのようにフィボナッチアークが表示されます。ここからどこで反発していくか見ていくことになります。
フィボナッチアークの反発ポイントの見方
フィボナッチアークは3本の黄金比率で押し目のポイントを判断するものになります。その数値は中央から「38.2%」「50%」「61.8%」という構成になっていて、どの比率も重要なものになってきます。
では今回のケースを見ていきましょう。
まずは38.2%できっちり反応しました。では38.2%から実際に反発するかどうか見ていきましょう。
38.2%のラインが効いているように見えますね。では実際に反発するかさらに見ていきましょう。
反発していきました。しかし本当に反発しているのかまだ疑わしいのでさらに様子を見ていきたいと思います。
これは自論なのですが、38.2%や50%からの反発というのはダウ理論でいう前回の高値を超えてからエントリーしても遅くは無いということです。ダウ理論|明確なトレンドの変換シグナルについて
理由としては、仮に38.2%や50%で反発して見えていたとしても、結果的に61.8%まで下落して反発するというケースは多く、38.2%や50%の反発に関しては前回の高値を超えるまでエントリーを見送るといったものになります。
実際に今回も反発したかに思われた38.2%は押し戻され50%のラインで揉み合っているのが確認できます。
結果的に61.8%を下抜けてきました。ここから61.8%で反発してくればエントリーのタイミングとします。
この状態はまだ値動きの途中ですが、61.8%が効いている状態だと、終値が61.8%で終了しヒゲとなるパターンも非常に多いパターンなので見ていきましょう。
終値が61.8%で反発し、ヒゲとなったパターンです。結果的に61.8%で反発したとみなしここはエントリーポイントとします。
ロスカットの設定と利確ラインの設定
では利確とロスカットの設定ですが、特別に基準となる部分はないですが、今回はセオリー通り前回の安値に設定します。
そしてエントリーのタイミングをフォボナッチアークで測ったら、利確ラインはエクスパンションで測っていきます。
今回は61.8%でキレイに反発したということで、エクスパンション161.8%のところに利確を設定します。
特にこの場合の161.8%の価格帯は前回のトレンドの高値付近としてレジスタンスされる可能性の高い節目でもあり、利確ラインとしてはベストと判断できます。
では結果的にどうなったか見てみましょう。
結果的にエクスパンション161.8%にあたり利確に成功しました。
まとめ
フィボナッチアークは押し目を拾う描写ツールで、リトレースメントと使い方や見方に関してはほぼ同じと言えます。
ただしリトレースメントと違うのは、価格帯だけではなく時間軸を考慮して描写しているといったところです。どちらを使うのかはお好みとなります。
そして、リトレースメントとエクスパンションの相性が良いように、フィボナッチアークとエクスパンションの相性もまた良いといえるでしょう。