ローソク足とはその昔、江戸時代に日本で発明されたもので、株式投資やFXなどのチャート分析をする際に1番使われているテクニカル分析に必要不可欠な存在だ。
ロウソク足を把握する事によって、その時間帯の相場がどのように推移していたのかがわかるようになり、視覚的に相場の判断ができるようになる。
相場分析に使うチャートはロウソク足の集合体であって、「ロウソク足チャート」という。
他にもバーチャートや折線チャートというものがあるが、何を使うにしても真っ先に覚えたほうがいいのはロウソク足チャートになるだろう。
今回はテクニカル分析の基本である「ロウソク足」の陽線と陰線などの基本的な見方について解説していきたい。
ロウソク足の基本的な見方
では、ロウソク足には一体どういう意味があるのか?ロウソク足の形によってどういう性質があるのか?などを見ていこう。
ロウソク足は1本である指定された時間足の値動きを表示させている
チャート分析をする際に時間足というのを選択する。時間足というのはチャート内でどれくらいの期間の値動きを見たいのかを設定するもので、ロウソク足1本あたりにどれくらいの期間を表示させているのか?という設定になる。
5分足チャートであれば1本のロウソク足が、5分間の値動きを表していて、4時間足であれば1本のロウソク足が4時間分の値動きを表しているという事になってくる。
日足や週足というのは1本のロウソク足で表示される値動きの期間が長い為に「長期足」と呼んでいる。逆に5分足や15分足のように1本のロウソク足に表示される値動きの期間が短いものは「短期足」と言われている。
ロウソク足の基本的な構成
上記図の赤い棒がロウソク足だ。色はお好みで色々設定できるが今回の記事は赤は陽線として説明していこう。ではまず「陽線と陰線」について説明していく。
陽線とは
陽線というのは価格が始値から終値にかけて上昇した事を表す。つまり陽線というのは始まった価格に対して、最終的に上昇した事を意味している。つまり最終的に指定した時間帯の中では、買いの勢力が大きかったという事を表しているロウソク足だ。
上記ロウソク足を見てもらうと、値動きというのは上下にはみ出している線を含めた全てだ。
このロウソク足で始まった価格は実体の「始値」という部分であり、1度始値よりも下落したもののその後上昇し、最終地点の価格が「終値」の部分である、という事が分かる。
陰線とは
陰線は始値と終値が逆になり、陰線では価格が始値から終値にかけて下落したことを表しているので、最終的に指定した時間の中で価格は結果的に下落して終わったという事になる。
ロウソク足で分かる主な値動き
上記の事から1本のロウソク足でわかる情報は次の項目だ。
- 値動きがどの価格から始まったか(始値)
- 値動きがどの価格で終わったか(終値)
- ロウソク足の時間帯で動いた最安値と最高値
この変な形した棒線からこれだけの事がわかる。実に万能だ。最初ロウソク足に慣れない時期は、パッと見ただけでは上手く把握できないかもしれないが、徐々に慣れていくので心配はいらない。
ではロウソク足の最安値と最高値を見ることのできるヒゲについて見ていこう。
ロウソク足の「ヒゲ」
上記ロウソク足で上と下にハミ出している線があったが、その線は「ヒゲ」と言う呼び方をする。ヒゲが教えてくれるのは、1本のロウソク足が示す時間帯の「最高値と最安値」だ。
大きく値動きしたにも関わらず始値と終値があまり変わらなかった時は、線の長さ、つまりヒゲの長さが長くなり胴体部分が短くなる。では実際にロウソク足の形を見てどんな値動きを想像したらいいのかを見ていこう。
ローソク足の相場分析の見方
では基本的なロウソク足の形状から見ていこう。
上下のヒゲが非常に小さく実体の長いローソク足で強い買い勢力があった事を示している。
大陽線(大陰線)と呼ばれる。
上ヒゲが無く強い買い勢力の状態でローソク足が終了している。
大引け坊主などと呼ばれる。
買い勢力が強かったがある程度の売り勢力にも押された痕跡の残るローソク足。
上ヒゲが長いほど売り勢力に押し戻された事が言える。
実体が短く売り勢力に押され下落したがその後買い勢力が巻き返して最終的には始値を超えた状態。
下ヒゲが長いほど最終的な買い勢力の強さが見て取れる。カラカサと呼ばれる。
買い勢力が強く上昇したが、結果的に売り勢力が巻き返した状態で、結果的には始値を割らなかったが売り勢力の強さを感じられる。上ヒゲが長いほど最終的な売り勢力の強さが見て取れる。
買い勢力と売り勢力のチカラ関係が拮抗している状態。
実体が短いほど値動きがなく狭いレンジで推移していた事が分かる。コマと呼ばれる。
実体が極端に短く始値からほとんど動かなかった状態で、一度下落したが買い勢力が強く巻き返してきた状態。
下ヒゲが長いほど最終的な買い勢力が強かった事が分かる。レジサポの強い抵抗帯やトレンド転換に見られる事が多い。ピンバーと呼ばれる。
実体が極端に短く始値からほとんど動かなかった状態で、一度上昇したが強い売り勢力に押され最終的に下落してきた状態。
下ヒゲが長いほど最終的な売り勢力が強かった事が分かる。レジサポの強い抵抗帯やトレンド転換に見られる事が多い。ピンバーと呼ばれる。
ヒゲが長いほど買い勢力と売り勢力が大きくぶつかり合い最終的に決着がつかなかった状態。トレンドの最終局面で見られる事が多い。
今回はすべて陽線で説明したが、陰線の解釈はすべて逆になるだけだ。そして、ロウソク足のパターンというのはあげたらキリがない。
なぜならロウソク足というのは値動きを表しているもので、毎回決まった形になるとは限らない。なので上記にあげた例は基本的なものであって、様々な値動きのドラマをロウソク足は表してくれるものとなっている。
ローソク足チャートの期間設定とチャート構造
冒頭でもお話しさせていただいたが、ロウソク足の基本的な見方を説明した上で、実際のチャートでどのように見ていくのかをもう1度話してみたいと思う。
分析チャートの表示には月、週、日、4時間、5分など色々な期間が選べるが、ローソク足チャートだと月足、週足、日足、4時間足、5分足と呼ぶ。
チャートは横が時間軸、縦がプライスで見るようになっているが、この週足などの時間足がチャートの「奥行き」ということになる。
奥行きは何層にも分かれていて、その層こそが、週足、日足、5分足などの時間足と言う事になる。
この事からローソク足チャートというのは非常に細かい値動きから大まかな値動きまで相場を立体的に見ていく事ができるものとなる。
プライスアクション
プライスアクションというのは、値動きから相場判断をするといったもので、ロウソク足を用いたプライスアクションというものが基本的なプライスアクションだ。
ロウソク足を用いたプライスアクションは酒田五法などが非常に有名であり日本人がその昔に考案したものになる。簡単にいうと、このパターンのロウソク足が出たらこう言う状況で、こういうパターンのロウソク足が出たらこうなる可能性が高いとかそういうものだ。
有名なものでいうとインサイドバーとアウトサイドバーや、エンゴルフィンバーなどあるが、どのテクニカル分析を使うのかは個人によっても異なる。なぜなら相場はまず定説通りの動きを見せるわけでないし、こうなったらこうなる、と言ったようなものはほとんど無いに等しい。
なので、プライスアクションを形式化してしまわずに、値動きの本質を見ていくようにした方がいいだろう。
そういうわけで、このサイトでは酒田五法などの詳しい内容は紹介していない。優位性がないと判断しているからだ。もし興味があるならネットなどで検索してみるといいだろう。
まとめ
ローソク足はマーケットを分析する上で非常に有効なものだ。チャートで出来る波はひとつひとつのローソク足の集合体なので本質的なものになる。
そこで大切なのは、こうなったらこうなると言った理屈ではなく、値動きを見る事だ。
値動きは経験でしか判断する事はできないといっても過言じゃ無い。テクニカル分析の基本はあくまでも基本なのでその辺りを覚えておいて欲しい。
基本を覚える事と相場で勝つ事はイコールではないが、基本を知らなければその先にもまた進めないという事になる。
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