逆ウォッチ曲線とは|エリオット波動から見る出来高推移

逆ウォッチ曲線は、その名の通り逆時計周りに相場が循環しているという見方をしていくものだ。そしてこの循環を説明するのにエリオット波動を例に出して考えると、より逆ウォッチ曲線について理解する事ができるようになる。

逆ウォッチ曲線は「出来高」を基準として、値動きと照らし合わせて「直交座標」という示し方をする。最初は少し見づらいと感じるかもしれないが、慣れてくると視覚的に見やすいテクニカル分析指標となるので、これから説明していこう。

目次

逆ウォッチ曲線の基本的な特徴

逆ウォッチ曲線は、他の出来高系オシレーター「ボリュームレシオ」「OBV」などと同じように値動きよりも出来高の方が優先して動くという考えがベースになっている。

まずは、逆ウォッチ曲線の特徴を見ていこう。

逆ウォッチ曲線は8つのパターンから考える

逆ウォッチ曲線の分布図

逆ウォッチ曲線は縦軸が価格、横軸が出来高で目盛りを取っていく。そうして価格と出来高の交わる点を結んでいくと、逆時計まわりに回っていく事が多い為、逆ウォッチ曲線と言われている。

逆ウォッチ曲線が一周してきたということは、一連の相場の値動きのサイクルが一巡してきたと捉える事ができる。逆ウォッチ曲線のサイクルについては次のような相場判断ができるので見ていこう。

逆ウォッチサイクル

逆ウォッチ曲線の相場サイクル

今の曲線がどのような状態にあるのか?を曲線の向きと上記の表と照らし合わせてみると、現在の相場状況が見えてくる。

上記の相場状況は次の通りだ。

  1. 【注目】値動きは底であり、出来高が増加している傾向にある状態
  2. 【買い】値動きは上昇調整局面、出来高は増加している状態
  3. 【買い継続】値動きは上昇局面、出来高は横ばいを推移している状態
  4. 【買い見送り】値動きは上昇の局面、出来高は減少傾向
  5. 【警戒】値動きは上昇の最終局面、出来高は減少している状態
  6. 【売り】値動きは下落局面、出来高は減少傾向にある状態
  7. 【売り継続】値動きは下落調整局面、出来高は横ばいを推移している状態
  8. 【売り見送り】値動きは下落局面、出来高は増加している状態

これが相場循環に対しての逆ウォッチ曲線の特徴になる。このサイクルを考慮したうえで、今相場がどのような局面にあるか?という判断材料のひとつとして考えていく。

しかし、逆ウォッチ曲線だけでは判断が難しいところもある。そこで、同じ性質を持つエリオット波動を使う事によって、逆ウォッチ曲線をさらに分かりやすく認識する事ができる。ではエリオット波動を照らし合わせて考えてみよう。

逆ウォッチ曲線とエリオット波動の相関関係

ではエリオット波動に照らし合わせて説明していこう。エリオット波動についてはエリオット波動理論とは|基本知識を完全網羅の記事を参考にしてみてほしい。

波動計測は同じ8波動からなる

エリオット波動を表示させたテクニカルチャート

逆ウォッチ曲線では8つのサイクルからなるが、この8つのサイクルはそのままエリオット波動の上昇5波下降3波の合計8波動に照らし合わせる事ができる。

まず注目1だが、これはエリオット波動でいう上昇1波になる。下落の後の懐疑的な買いが出始めているところで、トレンドの始まりと言ったところだ。

そして買い2、買い継続3というのはエリオット波動の2波3波にあたる部分だ。当然エントリーチャンスを狙うのであれば「買い2、買い継続3」あたりで買いポジションを持っておくと言う事になる。

警戒5はエリオット波動の5波【トレンド変換】

買い見送りの4はエリオット波動でも捉えるのが非常に難しい4波だ。

そして気にして見ておかなければならないのは「警戒5」だ。この警戒5はエリオット波動の5波に位置する状態なので、トレンド変換の警戒が必要な局面になる。

5波は出来高を伴った急激な上昇の時もあるので、今相場がいる場所は警戒5、つまりエリオット波動の5波である事を認識しておく事が必須となる。

売り6・売り継続7・売り見送り8はエリオット波動の【下落の3波】

警戒5の後の3つのサイクルは下落サイクルとなり、エリオット波動でいうA波・B波・C波となる。最終の売り見送り8に関しては、最終的な売り攻勢の局面である可能性があることから、ここの部分からの新たな売りエントリーは避けたいところだ。

エリオット波動のC波は、下落の最終局面となる可能性が高い事から、売り見送り8でショートエントリー(空売り)すると、安値掴みをさせられ、跳ね上げられる可能性があるという事になる。

下落トレンドがどこで収束するかは、実際に分からないし、C波が確認できたからと言って、エクステンションが起きたりと言ったことも想定できるので、トレンドが確実に転換したといった状態が確認できるまで、エリオット波動と逆ウォッチ曲線では買いのエントリーは待機状態にしておこう。

まとめ

今回は逆ウォッチ曲線の基本的な特徴と、エリオット波動との相関関係について説明してきた。この2つの指標を組み合わせて見ることは非常に有効的であるとともに、相性がいいテクニカル分析の組み合わせになる。

ただし、逆ウォッチ曲線に関してもエリオット波動にしても、毎回必ず確認できるような分かりやすいチャートになるとは限らない。

最終的にわかるところだけエントリーできれば良いので、焦らず着実にわかるところだけエントリーしていったら良いだろう。

そもそも逆ウォッチ曲線は、エントリーポイントを探るわけではなく、現在の相場環境がどのような状態なのか?を探るのに使うものになる。

特に出来高というのは非常に有効なテクニカル分析の指標になるので気をつけて見ていきたいところだ。

出来高と値動きに関してはダウ理論|出来高と値動きは相互に確認できなければならないの記事も同時にチェックしてみよう。

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