フィボナッチターゲットで未来の値動きをブロックとして考える

フィボナッチターゲットはフィボナッチエクスパンションとは違い、どこまで価格が伸びていくかだけを予想するツールとは少し性質が異なり、先の値動きをブロック化して相場環境を予想するツールだ。

非常に使いやすく、相場環境を知る為には使えるツールなので是非参考にしてほしい。

フィボナッチターゲットは、ある重要な波動の高値(安値)に重点を置いていて、波の高値から上の値動きをブロックとして表示させるものだ。

では実際のチャートを見て説明していこう。

目次

フィボナッチターゲットの使い方

基本的な使い方を説明していくのに今回は下記チャートを使っていく。日経平均株価チャートだ。

フィボナッチターゲットで使用するチャート
日経平均株価チャート

詳しい説明は割愛させていただくが、このチャートはエリオット波動のトレンドの初動になり、下記チャートがエリオット波動1波から3波を表示させたものだ。

フィボナッチターゲットはトレンドの初動だけに引くものではないが、トレンドの初動を掴むかそうでないかで、上昇の目安などが変わってくるので、エリオット波動などでトレンドの初動は覚えておいたほうがいいだろう。

トレンドの初動を見つけるには、エリオット波動を知る事が1番効率よく、ダウ理論のトレンド転換などもトレードの基本なので必ず覚えておこう。

エリオット波動1波から3波が引いてあるチャート

上記チャートでいうと赤丸の部分がエリオット波動の1波になる。ここが重要な波動になるのでこの部分にフィボナッチターゲットを当てていこう。

フィボナッチターゲットを設定するポイント

そうすると1波の高値から上の部分にフィボナッチが表示される。

このフィボナッチが表示された部分がこれからの重要な値動きのブロックという事になり、これから先の分析対象となるブロックの部分だ。

フィボナッチターゲットの見方

フィボナッチターゲットで重要なラインは最初に指定した高値0%の部分。そして38.2%・50%・61.8%・100%・161.8%となり、リトレースメントやエクスパンションに比べると重要なラインは多いのが特徴だ。

フィボナッチターゲットの%を表示させたチャート

上記チャートがフィボナッチターゲットを引いた後の値動きの状態だ。

まず0%のライン(前回の高値)を上に抜けてから強い上昇になっている。これはエリオット波動でいう上昇3波で1番伸びる波動だ。

上記チャートでは3波の波はちょうど161.8%のところで頭打ちになっているが、毎回ここまで伸びるとは限らないので注意しておこう。時には100%を超えれない時もある。

ラインの見方としては、161.8%と100%のラインは基本的にレジスタンスとしての見方をする。そして61.8%・50%。31.8%・0%はこれから先のサポートとしての見方をしていく事になる。特にレジスタンスとなる61.8%には注目しよう。

上記チャートではエリオット波動の上昇3波に値する波なので、161.8%や100%がレジスタンスという見方だが、実際にトレンドの初動からの波ではない場合、61.8%あたりでレジスタンスされる場合も多いのが特徴だ。

フィボナッチターゲットのブロックとしての見方

ではブロックとしての見方を説明していこう。

相場は基本的にブロックを作って値動きを繰り返しているが、視覚的に今どのブロックで値動きが行われているのかを、フィボナッチターゲットで簡単に見る事ができる。

フィボナッチターゲットを引かない場合のブロックを表示させたチャート

上記チャートで言えば「A」のブロックから「B」のブロックに値動きが移動している事が分かるだろう。

フィボナッチターゲットを使った場合には下チャートのようなブロックの見方になる。

フィボナッチターゲットを引いた場合のブロックを説明したチャート

先ほどのBブロックはあくまでも値動きが終了してチャートが出来上がった状態だからこそ、ここがBブロックだと言えるが、実際のトレードではどこがブロックとして機能するかは分からない。

そこでフィボナッチターゲットで大筋のブロックを作り、その中に61.8%や31.8%などの重要な目安となるラインが組み込まれているので、そのラインを参考にして戦略を立てる事になる。

つまり、次の値動きブロックのターゲットを示してくれるのが、フィボナッチターゲットという事だ。

では他のチャートでもフィボナッチターゲットを引いた例を見てみよう。

他のチャートでの検証例

新しいチャートでフィボナッチターゲットを引いた場合のチャート

上記チャートを見てみてほしい。赤丸を付けた場所がフィボナッチターゲットを指定した場所だ。

この先のトレンドは100%ラインで頭打ちになり、一旦下落しているが、基本的に100%までしか上昇しなかった場合は0%付近までに戻しが入る事が多い。

その後161.8%まで上昇しているが、レジスタンスされ38.2%まで下落している。

ここで注目して欲しいのは、下落が38.2%で止められているという事だ。

フィボナッチターゲット38.2%がサポートしている場合の説明

38.2%で止められているという事は前回の安値である0%付近を下回る事なく上昇に転じたので、当然マーケットの目線は上方向となった。

当然後は161.8%をサクッと超えて、次のブロックへと突入する事となる。

では、次のブロックへの移り方も見ていこう。

新しいブロックへの移り方

では161.8%を明確に超えていった価格は、次はどのブロックに移行していくのか?

先ほどのチャートに新しくフィボナッチターゲットを引くと、下記チャートのようになる。

前のブロックから新しいブロックへのフィボナッチターゲットを作る場合の設定ポイント

前回の波動の最安値から最高値にフィボナッチターゲットを当てる。

もちろん上昇の見極めとなった前回の安値を下回らずに上昇し、前回の高値を更新した波動だ。

フィボナッチターゲットのポイントとなる61.8%・38.2%・0%で値動きが拮抗している状態を説明

そして上記チャートが新しいブロックに移行した値動きのブロックだ。

新しいブロックはトレンドの初動ではないので、上昇の目安は61.8%から100%あたりを考えておいたほうがいいだろう。

もちろん値動きの注目ポイントは61.8%と38.2%、0%となる。

上記チャートでもそのポイントあたりで値動きが拮抗しているのが確認できる。

まとめ

フィボナッチターゲットは上昇の目安とだけ使うには非常にもったいない事はおわかりいただけただろうか?

相場をブロックとして捉える事は、これからのトレード戦略を立てやすくする。しかし、ブロックとして認識できるのは値動きが終了した結果論であって、結果的にブロックを作っても仕方ない。

そこで、フィボナッチターゲットを使うことによって、これから値動きをするであろう場所にブロックを作ることができるのだ。

もちろんここのラインで「買い」とか「売り」という決定的なシグナルを発するものではないが、相場環境を知るには非常に優位性のあるツールだと言えるだろう。

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