グランビルの法則|利確と損切りのタイミングとは

移動平均線を使ってエントリーするタイミングをはかるのに有名なグランビルの法則だが、いったい利確や損切りのタイミングってどこなんだろうか?っていう事について考えてみたいと思う。

グランビルの法則では、買い4つと売り4つのパターンからエントリータイミングを探るが、その中でも移動平均線の上抜け(下抜け)、そして移動平均線の反発というのがグランビルの法則で最も多く使われているパターンになる。

しかし、基本的にはグランビルの法則からは、利確時期を予測するのは困難だ。

なぜなら、グランビルの法則はエントリーのタイミングを探る為の法則、つまり入り口であって、出口に関しては理論として用意されていない。

もちろんグランビルの法則の性質から、ロスカットの設定基準を設ける事はできる。では、今回はグランビルの法則での利確や損切りの「出口戦略」について考えていこう。

目次

グランビルの法則での損切りについて

まずは損切りのタイミングについてだ。損切りのタイミングを探るには、どこのタイミングでエントリーするか?ということがまず大前提になってくる。

グランビルの法則のエントリーパターンについてはグランビルの法則とは|4つの買いパターンをくわしく解説の記事をチェックしてみてほしい。

損切りの設定ポイントについて

まずは移動平均線を下から上に突き抜ける、という状態だ。

移動平均線がロウソク足を下から上に突き抜ける図

この状態だとロウソク足は移動平均線を上に抜けたところになるので、実際のエントリーポイントは、移動平均線より少し上の方になってくるだろう。

エントリーポイントと損切りポイントは損切りから少し離す

ここから損切りポイントを設定するなら、移動平均線が設定ポイントに1番適しているだろう。買いエントリーは、基本的に移動平均線が上向き、もしくは横ばいの時が望ましいと言われているが、実際のところ極端な下向きでなければエントリーしても構わないだろう。

目を凝らしながら移動平均線の傾きを見ていく必要はない。

なぜなら、移動平均線の設定値が高いほど、移動平均線は下向きから上向きになるのに時間を要する。その間に価格は大きく上昇するパターンが多く、利益を取り損なう事もまた多くなる。

もちろん移動平均線が上向きになるという事は、それなりの上昇があってからこそだが、仮にそのまま移動平均線を再び下抜けしたとしても、ロスカットさえキッチリ設定しておけばエントリーのタイミングとしては悪くはないだろう。

損失の許容範囲を決めてからエントリーする

ここで大切なポイントは、あらかじめエントリーする前に「損失はどれくらいか?」を算出しておく事だ。損切りポイントは決めてあるので「今エントリーしたらどれくらいの損切り幅になるのか?」というのがおのずと分かる。

その損切り幅が許容範囲内ならいいのだが、もし許容範囲を超えてしまうような場合は、エントリーを見送るか、もしくは買う量を減らすなどして調整するという事になるだろう。

無理に損失を多めにとってエントリーしてしまうと、少しの値動きでもメンタルが動かされてしまい、なかなかいい結果がでにくくなる。できるだけ損失の許容範囲はいつもと変えないようにしたほうが無難だ。

グランビルの法則での利確について

そもそもグランビルの法則はエントリーのタイミングを探るものなので、実際のところはグランビルの法則での利確という名前自体がおかしいのだが、今回はエントリーをグランビルの法則でやってから、同じ移動平均線での利確ということから、このタイトルにさせてもらった。

では利確だが、基本的にエントリーの基準になった移動平均線で利確するというのが最終判断になってくる。

移動平均線で利食ってしまうと、利益をそれなりに大きく取りこぼしてしまう、という状態になるのであまり優位性がないかと思われるかもしれないが、そうでもない。

なぜなら、利確にもある程度根拠があった方が、チキン的な利食いを予防する事になる。目先の利益よりも長いスパンでの利益はもっと大切だ。

もちろん利確の物差しは移動平均線だけでなくてもいい。利確を助けるテクニカル指標はラインなどがある。他にもオシレーター系のテクニカル指標であったり、フィボナッチなどを活用してもいいだろう。

今回は、特に利便性が高い「水平線」を利確の参考として、移動平均線の利確から説明していきたいと思う。

移動平均線での利確タイミング

移動平均線での利確は、エントリーした時の移動平均線から、もう1度同じ移動平均線を下抜けしたところになる。

移動平均線で利確した時の利益幅

移動平均線を利確ポイントにしてしまうと、基本的に上記図のように利益率は減ってしまうが、これから先の別のトレードで利益を伸ばすという観点から別に間違ったものではない。

しかし、どんな状況だったとしても、最低ここでは利確をしておかなければならないポイントであることに間違いはないので、エントリーして、予想通り価格が上昇した場合は、利益確定ポイントを移動平均線あたりに設定しておいた方がいいだろう。

ここを逃すと、最悪損失が発生する事にもなり得るので、必ず押さえておきたいポイントになる。

水平線(ライン分析)での利確ポイント

基本的に、ラインを引く目安になる時間足は、今使っている時間足の少し上の時間足でラインを引くという事だ。例えば、1時間足を使っているのであれば、4時間足や日足でラインを引く。5分足をメインにトレードしているのであれば、1時間足や4時間足に引いたラインを使ったほうが効果的なラインを引けるだろう。

そして利確ポイントは、買いであれば、引いた水平線の少し下に設定しておく。

水平線を使うことによって利益幅が変わる

これは、水平線が絶対というわけではないと言う事を前提として考えた場合で、実際に水平線やキリ番の手前で止まる事も、かなり多い。せっかく利益が出ているので、どうせなら確実に利確しておきたい。

水平線はグランビルの法則でエントリーした後の利確ポイントにも使えるので、参考までに紹介しておこう。ライン分析に関してはライン分析を極める!ライントレードの基本知識とはの記事で詳しく説明しているので、興味がある方は是非チェックしてみて欲しい。

まとめ

基本的には、多くのテクニカル分析が、エントリーのタイミングをはかるのには適しているが、利確ポイントや損切りポイントを明確に設定するのには、判断が難しいところがあるのも確かだ。

そう考えると、グランビルの法則を考慮してテクニカル分析を組み立てていくなら、利確や損切りポイントは設定がしやすい。

その点を踏まえたうえで自分なりのタイミングを決めておく必要性があり、当然利確よりも損切りのポイントを決めておくことの方が優先度は高くなる。

しかし、今回の判断基準は、そんなに複雑なポイントではないし、現実的に使いやすいのではないかと思う。

確かに水平線なんかは、ある程度の経験がないとうまく引けるようにはならないが、移動平均線を使用したトレードは設定通りにインジケーターが表示されるので、扱いやすいと言えるだろう。

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