テクニカル分析に意味はないのか?専業トレーダーの見解とは

テクニカル分析は意味のない分析方法である、負けている時ほどそんな答えを聞きたいものだ。テクニカル分析は分析手法によっては意味のないものになる、むしろ資金を減らすための指標にしかならないのは事実と言える。

そもそも確率論で考えた場合、手数料を考えると最終的にはマイナスになるのが相場の鉄則であり、人間の本来もっている行動心理を考えると、さらに勝つ確率は低下する。

人間はリスク回避のためにマイナスの行動を取る、これは事実であり私も今までのトレード人生で嫌というほど体験させられたものである。

テクニカル分析は何もしなくては勝てないマーケットにて、優位性を引き上げるものである。ただし、使い方や認識を間違うとテクニカル分析は意味のないどころか、よりマイナスに動いてしまう「意味のないもの」となってしまう。

この記事ではテクニカル分析の意味についてお話しするので、興味のある方は参考にしてほしい。

テクニカル分析は過去を振り返るものであって、将来を占うものではない。テクニカル分析は温度計のようなもの。チャートに注意を払わない投資家は患者の体温を計ろうとしない医者と同じ。最後は自分自身で判断する。

ブルース・コフナ
目次

テクニカル分析の役割「過去の検証」

過去チャートにはこれまでの値動きが記されている。これは紛れもない真実の値動きであり、目で見て視覚的に判断できる優れたものになる。

値動きを表したチャートは言い換えれば「市場心理」を表したものであり、心理にはある一定のパターンが存在する。

ランダムウォークと言われる値動きではあるが、まったくデタラメに動いているわけではない。トレンドやレジスタンス、サポートなどのチャートパターンを過去の検証からいくつか洗い出すことができるはずだ。

過去の検証は意味がない、という声もあるだろう。ただし、過去に激戦区となった価格帯では、未来でも攻防される価格帯になる可能性は高く、レジスタンスやサポートとしても意識される。

トレンドの変換に関しても、いくつかのチャートパターンが見受けられる。ダブルトップやトリプルトップというのは相場だけに存在するものではない。

トリプルトップを形成したからといって必ずトレンドが変換するわけではない、しかし、より確率の高い場所を探すうえでテクニカル分析の過去検証は不必要とはいえない。

テクニカル分析で市場心理を見る

テクニカル分析においてインジケーターのシグナルだけを頼りにし、それで稼ぐことができなかったらテクニカル分析は効き目がないと思われている方も多い。

売買シグナルはあくまでも小手先であり、それだけで勝てるほど単純なものではない。仮に上昇トレンドが継続していたとしても、必ずトレンドが収束する時はくる。

なぜならばこれまでポジションを保有していた市場参加者が利益確定をする時がやってくるからだ。急速に上昇した価格が急速に下がりやすいのは、価格の上昇に対するインパクトが強く、市場参加者が同じタイミングで利益確定を決断させる要素が強いためである。

さらに上昇の勢いに任せて、高値で買ったトレーダーの損切りも巻き込むことにより、価格はスピード感をもって下落する。この状況を鮮明に映し出しているものこそがチャートであり、テクニカル分析なのだ。

テクニカル分析を意味のないものにする3つの要因

それではテクニカル分析によって生まれる不利な状況とはどういったものがあるのだろうか?大きく3つを紹介しよう。

①インジケーターで絶対に勝てる手法を見つけようとしている

勝てない人の絶対的な特徴としてあげられるのが「インジケーターのシグナルだけで勝つこと」を考えていることだ。ボリンジャーバンドのシグナルを試したが勝てない、RSIのシグナルで勝てないなど、勝てないことをインジケーターのせいにしている人だ。

そもそもインジケーターはトレードに優位性を与えるものであり、勝てるための指標ではない。根本的な考えかたが間違っていることに気づかない限り、テクニカル分析は意味を持つことはないだろう。

②ファンダメンタルとテクニカル分析を同時に分析している

テクニカル分析はあくまでも値動きを見るものであり、現在見ているロウソク足以外はすべて「結果」である。価格が動くたびに「どんな理由があって動いたのか?」という理由を探すことも意味を持たない場合がほとんどだ。

逆にファンダメンタルを意識しすぎると、テクニカル的には下落なのに上昇するのではないか?という無駄な心理状態を生んでしまい、マイナスになるどころか方向性に乏しいトレードになってしまう。

他人のトレードをSNSなどで過剰に気にするのもおなじこと。テクニカル分析において外野の意見は基本的にマイナスになることを覚えておきたい。

③値動きに釣られたトレードをしている

チャートを観察していると、強い上昇、強い下降圧力が働いていることがわかる時がある。とくに1分足や5分足などの短期足を見ているとよくわかる。

ただし、いくら強い上昇圧力がかかっていたとしても、テクニカル的に自分の思っている方向でなければエントリーしてはならない。上昇の勢いが強い時には買いエントリーしたくなる、これは間違いないが、値動きだけで判断すると面白いように価格は逆行する。

テクニカル分析には意味がないのか?

テクニカル分析に意味があるのかないのか?確かに、移動平均線やボリンジャーバンドなどのインジケーターについて、非常に無責任な見解が拡散しているのはよくわかる。

何も知らない初心者の方がそれを見れば、移動平均線はこういうふうに使うんだ、と安易な受け方をしても仕方ないかもしれない。正直どんな使い方をしても良いのだ、ただし、インジケーターだけではなくその他の要素もきちんと説明しなければ、大勢の方は間違った認識でテクニカル分析を見てしまうだろう。

テクニカル分析に意味がないことはない、大切なのはテクニカル分析をどう生かすかであり、インジケーターに勝たせてもらうという考えはまず捨てなければならない。

最終的に勝つためには何をするべきか?それは検証と、最終的に利益が残るための試算である。そもそも負ける確率が高い相場で勝つためにはできるだけ優位性の高い場所でエントリー決済をする必要がある。

そういった認識でテクニカル分析と付き合ってみてはどうだろうか?

目次